ベルク ≪ヴォツェック≫ 対訳完成

オペラベルク ≪ヴォツェック≫の対訳が完成しました。

日本語対訳はこちら→ ヴォツェック

≪さまよえるオランダ人≫を翻訳してくれたKimiyoさまのドイツ・オペラ翻訳第2弾です。おつかれさまでした。

≪ヴォツェック≫の対訳が完成したことで、ヴェルディやプッチーニが一本も完成しないうちに、すでに完成済みの≪ルル≫とあわせて、ベルクの全オペラ作品の翻訳が終わってしまいました。

ベルクのオペラは、いわばドイツ流ヴェリズモ・オペラです。市井の人々の生き様を活写しています。Kimiyoさまは、第2幕居酒屋の場面をこんな風に訳してくれました。酔っぱらった徒弟の台詞です。
Meine Seele, meine unsterbliche Seele, stinket nach Branntewein! Sie stinket, und ich weiss nicht, warum? Warum ist die Welt so traurig? Selbst das Geld geht in Verwesung über!
俺の魂、俺の不滅の魂は、焼酎臭いのである!くさい、だが、俺はしらん、なんでだか?なんで、世の中こんなに惨めなんだ?金(かね)でさえ腐っていく!
いいな~。日本語は表現の幅が広いので、登場人物にどういう口調でしゃべらせるか、あれこれ考え始めると、つらい翻訳作業もオペラを脳内演出をしているようで楽しくなります。Kimiyoさまも大いに楽しまれたことでしょう。

Kimiyoさまは「Branntewein」を「焼酎」と訳してくれました。某CDに付属している対訳ではこれを「ブランデー」と訳しているのですね。ブランデーというとヘネシーとかナポレオンとか高級酒のイメージがあるので、居酒屋で酔っぱらいが「俺の魂はブランデー臭い」と管を巻いているのはなんか違いますね。

確かに辞書を引くと「Branntewein」は「ブランデー」と出ていますが、ドイツのウィキペディアなどで調べると、語源の「焼いたワイン」から「蒸留酒全般」を指すと解釈してもよさそうです。Kimiyoさまの訳語「焼酎」は≪ヴォツェック≫の世界にベストマッチだと思います!

ヴォツェック
ランキングを見る(にほんブログ村)
ランキングを見る(クラシック情報サイトボーダレスミュージック)

にほんブログ村 外国語ブログ ドイツ語へ

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック