バッハ 《マタイ受難曲》 全曲 クレンペラー盤 YouTube動画公開

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リヒター旧盤の動画対訳がなかなか好評で、第1部の動画は再生回数10万回にもう少しのところまで来ています。みんな《マタイ》好きだよね。調子に乗ってクレンペラー盤も上げちゃうよ。
YouTube → クレンペラー盤 第1部
YouTube → クレンペラー盤 第2部
YouTube → リヒター旧盤(1958)第1部(既出)
YouTube → リヒター旧盤(1958)第2部(既出)
イマドキの《マタイ》なら第1部がCD1に収まってしまいます。クレンペラー盤のCD1ではイエスがまだタイホされてません。全曲がCD3枚にギチギチに入ってます。とにかく遅い!悶絶する遅さです。なにが遅いってコラールが遅い(福音史家のレチタティーヴォはリヒター旧盤よりむしろ速い)。フレーズ毎に目一杯リタルダンドが掛かるので止まるんじゃないかと思うほどです。
第1部が1時間38分、第2部が2時間7分の動画になってしまいました。ところが動画制作のあいだ何度も繰り返しこの音源を聴くうちにこの遅さに慣れてしまいました。慣れというのは恐ろしいもので、今ではリヒター旧盤の「来たれ娘たちよ」を聴くと「はえーよ!」と思ってしまいます。リヒター旧盤だって今ではかなり遅い部類に入るのですが…。
この音源は公開から50年以上が経過し、日本をはじめ著作隣接権保護期間を50年と定める国では、パブリックドメインとなっています。
バッハ:マタイ受難曲BWV.244 全曲
福音史家:ピーター・ピアーズ(テノール)
アリア:エリーザベト・シュヴァルツコップ(ソプラノ)
アリア:クリスタ・ルートヴィヒ(アルト)
アリア:ヘレン・ワッツ(アルト)
アリア:ニコライ・ゲッダ(テノール)
アリア:ヴァルター・ベリー(バス)
イエス:ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)
ユダ:ジョン・キャロル・ケース(バリトン)
ペテロ:ヴァルター・ベリー(バス)
大司祭:オタカール・クラウス(バリトン)
ピラト:オタカール・クラウス(バリトン)
侍女1:ヘザー・ハーパー(ソプラノ)
侍女2:ヘレン・ワッツ(アルト)
司祭1:オタカール・クラウス(バリトン)
司祭2:ジェレイント・エヴァンス(バリトン)
目撃者1:ヘレン・ワッツ(アルト)
目撃者2:ウィルフレッド・ブラウン(テノール)
ハンプステッド教会少年合唱団
マーティンデイル・シドウェル(合唱指揮)
フィルハーモニア合唱団
ヴィルヘルム・ピッツ(合唱指揮)
オブリガート
ガレス・モリス(フルート)
アーサー・アクロイド(フルート)
シドニー・サトクリフ(オーボエ、オーボエ・ダモーレ)
ピーター・ニューベリー(オーボエ・ダ・カッチャ)
ヒュー・ビーン(ヴァイオリン)
ベラ・デカニー(ヴァイオリン)
デズモンド・デュプレ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
通奏低音
ジョージ・マルコム(チェンバロ)
ヴィオラ・タナード(チェンバロ)
レイモンド・クラーク(チェロ)
ジェイムズ・W・マーレット(コントラバス)
ラルフ・ダウンズ(オルガン)
フィルハーモニア管弦楽団
オットー・クレンペラー(指揮)
録音時期:1960&61年 (P) 1962
録音場所:ロンドン、キングズウェイ・ホール、他
録音方式:ステレオ(セッション)
プロデューサー:ウォルター・レッグ
エンジニア:ダグラス・ラーター
この配役表(HMVから転記)では侍女1にヘザー・ハーパーの名前があり、他の情報ではピラトの妻もハーパーになっています。しかしクレンペラー箱に付属の冊子ではソプラノ・アリアのシュヴァルツコップが両役を兼任していることになっています。動画の字幕は冊子の記述に従いました。聴いた感じピラトの妻はシュヴァルツコップっぽいが侍女1はびみょー、ハーパーなのかも。どうなんでしょうね。
また上の配役表ではヘレン・ワッツがルートヴィヒを差し置いて歌っているアリアがあることになっています。歌っているのは終曲直前の合唱付きレチタティーヴォじゃないですかね。ドイツ語の発音がちょっとあやしい感じがします。
リヒター旧盤公開のときにも触れましたが、このクレンペラー盤でも《マタイ》の歌詞は現在歌われている歌詞と若干違います。違いが一番はっきり分かる箇所はコラール「血と傷にまみれた御頭」の2番の歌詞。
<リヒター盤/クレンペラー盤>
Du edles Angesichte,
Vor dem sonst schrickt und scheut
<現在>
Du edles Angesichte,
Dafür sonst schrickt und scheut
公開しているテキスト対訳は<現在>の歌詞になっています。翻訳したwagnerianchanさまによると、<現在>歌われている歌詞は古い形のドイツ語が使われているとのこと。かつて使われていた慣用譜では現代ドイツ語に直されていたのを、批判校訂を経た譜面ではバッハ時代のドイツ語に戻してあるということかもしれません。このへんの事情は合唱団で《マタイ》を歌っている人にはおなじみかもしれませんが…。
今回公開した動画対訳のドイツ語字幕はできるだけクレンペラー盤の歌詞に合わせてあります。前回リヒター旧盤では見落としていた箇所を、今回のクレンペラー盤でかなり修正しました。それでもまだ修正しきれていない歌詞があるかもしれませんが、ご容赦ください。
字幕の構成は去年作ったリヒター旧盤とほとんど変わりません。ただ、あのときは「これで完璧」と思ったのに、時間が経ってみると「ああすればよかった」と残念なところが出てくるもので、手直しした結果今回の字幕のほうが多少良くなっていると思います。
1年前に公開したウィンドウズ・ムービーメーカー・ファイルは今回のものに差し替えました。こちらからダウンロードできます。
→ ここをクリックしてダウンロード
もし《マタイ受難曲》の動画対訳を他の盤で作りたい方がいらっしゃったら、ダウンロードして再利用してください。ムービーメーカーのバージョンは2.6です。ソフトはこちらから無料でダウンロードできます。Windows7でちゃんと動作しました。
→ Windows Movie Maker 2.6(Vista 版 Windows ムービー メーカー 2.6)
もちろん、歌い出しは録音によってマチマチですから、そのまま使うことはできませんが、キューの調整さえすれば、少なくともテキストを対訳ページからコピペする手間は省けます。
再利用にあたって次の点に注意してください。
対訳字幕の最後に「クリエイティブ・コモンズ・ライセンス」の記述が入っています。この日本語テキストを作成したwagnerianchanさまのクレジットですので絶対削除してはいけません。その次にオペラ対訳プロジェクトの紹介が続きますが、こちらは削除しても構いません。
ウィンドウズ・ムービーメーカーの性質上、音源はもちろん、画像素材もこのファイルの中には含まれていません。したがってファイルを開くと、ビデオとオーディオの行に「×」がたくさん並ぶはずです。解読して再利用してください。
たぶんメンゲルベルク盤、フルトヴェングラー盤といった名盤が「著作隣接権保護期間」切れになっていると思います。いずれの盤を利用するにせよ、著作権関連法規に抵触しないよう注意しつつ、ご自身の責任でファイルを再利用してください。
バッハ・コレギウム・ジャパンが今年は《マタイ》を取り上げていますね。残す公演は明日の埼玉とあさっての愛知です。
バッハ 《マタイ受難曲》
2014/4/19(土) 彩の国さいたま芸術劇場
2014/4/20(日) 愛知県芸術劇場
ソプラノ:ハンナ・モリソン
カウンターテナー:クリント・ファン・デア・リンデ
テノール/福音史家:ゲルト・テュルク
バス/イエス:ペーター・コーイ
指揮:鈴木雅明
合唱・管弦楽:バッハ・コレギウム・ジャパン
予習・復習にテキスト対訳・動画対訳をお役立てください。
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