ビゼー 《カルメン》 全幕 YouTube動画公開
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翻訳は梅丘歌曲会館の藤井宏行さまです。動画対訳が作りたくて、今年の1月にレチタティーヴォ版の対訳テンプレートを公開したところ、藤井さまがこれに応えてくれまして8月に日本語対訳が完成しました。今回の動画対訳はこのできたての日本語対訳を利用しています。
数ある《カルメン》の中から、まずは公開から50年以上が経過し著作隣接権が切れているビーチャム盤を動画対訳にしました。エスカミーリョの台詞の和訳はこの盤で歌っているエルネスト・ブランをイメージしたと伺っています。なるほど紳士ですね、このエスカミーリョは。最高位の闘牛士ともなるとギラギラしてるだけじゃ務まらんということでしょう。オペラに限らず台本の日本語翻訳というのは訳者が脳内演出したイメージを反映しないとおもしろいものにはなりませんね。そこが翻訳作業の楽しみであるなと。
各幕1本づつの動画になっています。第3幕と第4幕(計63分)は休憩なしで続けて上演される場合が多いので1本の動画にまとめたかったのですが、よくわからない理由(WMMの気まぐれ?)でHD画質でコンパイルすることができず分けてます。(蝶々夫人89分はHD画質で入ったのになぁ……なんで?)
ビゼー:歌劇『カルメン』全曲
ビクトリア・デ・ロス・アンヘレス(ソプラノ:カルメン)
ニコライ・ゲッダ(テノール:ドン・ホセ)
エルネスト・ブラン(バリトン:エスカミーリョ)
ジャニーヌ・ミショー(ソプラノ:ミカエラ)
ドニーズ・モンテイル(ソプラノ:フラスキタ)
ジャン=クリストフ・ブノワ(バリトン:ダンカイロ)
ミシェル・アメル(テノール:レメンダート)、他
フランス国立放送管弦楽団&合唱団
トマス・ビーチャム(指揮)
録音時期:1959年
録音方式:ステレオ(セッション)
ああ、カルメン……。奇跡のような名品。百年後すべてのオペラが死に絶えたとしても、こいつだけはその圧倒的な生命力を発揮して生き残るだろう。あるいはこうも言える。オペラには2種類ある。カルメンとカルメン以外であると。
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この記事へのコメント
このオペラ、あんまり複雑なアンサンブルが多くないとは言え御苦労さまでした。しかもカラス/プレートル盤やプライス/カラヤン盤をさておいてこれを最初にして下さって感謝しております。
確かにキャラの立ったオペラを存分に日本語の世界に置き換えるのは、一度はまると病みつきになりますね。そんな感じで訳していて楽しめる喜歌劇を、少々マイナーではありますがあと1本取り上げようと思っております。
けっこう台詞の分量が多くてたいへんですが、年の瀬にふさわしいシーンもあるので何とか年末には間に合わせようと鋭意作成中です。もう少々お待ちいただければ幸いです。
こちらこそ、レチ版の翻訳をありがとうございました。ビーチャム盤いいですね。制作していてとても楽しかったです。第2幕の五重唱とかすばらしいアンサンブルです。
次回作はなんでしょう。第1作が《こうもり》だったことを思い出し《メリーウィドウ》と予想していたのですが、「マイナー」ということはハズレですね。楽しみにしております。