R. シュトラウス 《影のない女》 第1幕全曲 YouTube動画公開

オペラカイっコバート!生誕150年のアニバーサリーも残りわずかとなりました。リヒャルト・シュトラウス《影のない女》第1幕全曲のドイツ語日本語対訳字幕付きYouTube動画を公開します。字幕の日本語訳はwagnerianchanさまです。

動画はこちら → 影のない女
対訳はこちら → 影のない女

音源はベーム指揮のスタジオ録音盤です。このオペラの常としてカットはあります。しかし後のライヴ盤よりは少ないはず。

《影のない女》は戦後再興なったウィーン国立歌劇場を祝うプロダクションのうちのひとつで、これはそのキャストをほぼそのままデッカの録音会場だったゾフィエン・ザール(公式記録には楽友協会大ホールとあるが…??)へ連れてきて収録した世界初録音です。ベームが録音を強く希望したと聞きます。数年前にザルツブルクでティーレマン指揮で上演された《影のない女》の舞台がこのときの録音風景を模したものとなっていました。



この音源は公開から50年以上が経過し、日本をはじめ著作隣接権保護期間を50年と定める国では、パブリックドメインとなっています。

リヒャルト・シュトラウス 《影のない女》 第1幕

 ハンス・ホップ(テノール)
 レオニー・リザネク(ソプラノ)
 パウル・シェフラー(バリトン)
 クリステル・ゴルツ(ソプラノ)
 エリーザベト・ヘンゲン(メゾ・ソプラノ)
 クルト・ベーメ(バス)、他

 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
 カール・ベーム(指揮)

 録音時期:1955年11月、12月
 録音方式:ステレオ(セッション)
 原盤:DECCA

音源は今年出たシュトラウス/ベームのボックスセットからリッピングしています。2011年にカール・ベームは没後30年だったのですが、彼の録音が大量に倉庫に眠っているドイツ・グラモフォンとデッカは全くやる気を見せずスルー、シュトラウス・イヤーになってようやくボックスセットを実現したのはライセンス生産でおなじみのメンブランでした。

2012年に生誕100年を記念したボックスセットがデッカから大量に出たショルティとは対照的なベーム、日本ではまだまだ人気あると思いますが(ていうか日本での人気が異常なのかも)、欧米では完全に忘れられた人になってしまったようです。

音質には少々問題があります。ところどころ音が歪んでます。私が想像するに、これはマスターテープの劣化によるものではないかと。というのも、同じボックスセットに収められた《エレクトラ》はメンブランが独自に行ったと思われるリマスターが音質面では成功していて(ただし同時に大失敗も……たぶん来月詳述することになります)、これがメンブランのおざなりな仕事の結果ではないことを伺わせるからです。(→ 訂正記事:板起こしのようです)

影のない女私はデッカ正規盤をまだ聞いたことがないのですが(以前公開したmp3は海賊盤だった)、今回のメンブラン盤と比較して音質はどうでしょうか。デッカ正規盤をお持ちの方がいらっしゃったらコメントいただけるとありがたいです。もし正規盤のほうが音が良ければ、第2幕以降はデッカ正規音源を入手して動画制作したいと思っています。

とりあえず第1幕の動画対訳を作ってはみたものの、日本語訳があっても難解な《影のない女》であります。第2幕で皇帝がアリアを歌うあたりから、私はいつも置いてけぼりです。

このオペラ、タイトルロールがまるで目立たない。音楽だけ聴いていると印象に残るのは「染物師の妻」のほう。こっちが主役だと言う人もいるくらいで、私もそう思ったこともありました。でも日本語訳をふつーに読むと主役は明らかに「影のない女=皇后」で、全体として皇后の成長物語になっていることがわかります。

このあと、第2幕、第3幕と動画対訳の制作を進めるうちに、私にも少しは理解できるようになるでしょうか。

影のない女
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