ベルク 《ヴォツェック》 全曲 YouTube動画公開

オペラアルバン・ベルク 《ヴォツェック》 全幕のドイツ語日本語対訳字幕付きYouTube動画を公開します。翻訳はKimiyoさまです。この動画のために翻訳の見直しをしてくれています。ありがとうございました。

動画はこちら → ヴォツェック
対訳はこちら → ヴォツェック

音源はカール・ベーム指揮、フィッシャー=ディースカウがタイトルロールを歌う歴史的名盤です。この音源は公開から50年以上が経過し、日本をはじめ著作隣接権保護期間を50年と定める国では、パブリックドメインとなっています。



《ヴォツェック》はドラティが指揮した「3つの断章」を動画対訳にしてます。しかしベームと比較すると格の違いは否めない。ハイライトの「マリー聖書を読む」にしてもドラティの音は混濁してます。ベームの響きはずっとすっきりしていて見通しがよい。おそらくプローベでは情緒的な指示は一切せず「楽譜通りやれ!」としか言ってないでしょう。なのに出てくる音楽は沁みる。「希望がない」とはそういう音なのかと。

歌劇『ヴォツェック』作品7

 ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)
 フリッツ・ヴンダーリヒ(テノール)
 ゲルハルト・シュトルツェ(テノール)
 イヴリン・リアー(ソプラノ) 他

 ベルリン・ドイツ・オペラ合唱団
 シェーネベルク少年合唱団
 ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団
 指揮: カール・ベーム

「水に映る月」の素材はfootageislandからお借りしました。

ベームは《ルル》2幕版の録音をリアーとDFDで遺してます。そちらの公開は1968年なので動画化はまず無理でしょう。

《ヴォツェック》は先月動画にしたワイルの《マハゴニー市の興亡》と同時代の作品です。どちらも当時の最先端を行く作品なのになんと大きく枝分かれしてしまったことか。しかしどちらの作品も現代にも通じる何かを強く訴えかけて来ます。これらの作品を私たちは現在と繋がっている過去と捉えることができるでしょう。

ベルクやワイルに比べてワーグナーやヴェルディの世界はとても遠い。私には……。世紀の変わり目あたりにはとても大きな亀裂があって、その亀裂に両足をかけたら股裂きにあって困った顔をしているのがリヒャルト・シュトラウス(とホフマンスタール)という感じがします。

4月に「断章」を含む演奏会があるようです。

第591回名曲シリーズ
読売日本交響楽団

4/19(火)19時開演
サントリーホール

エヴェリーナ・ドブラチェヴァ(ソプラノ)
下野 竜也(指揮)

ベルク(フォン・ボリース編):パッサカリア
ベルク:歌劇「ヴォツェック」から3つの断章
モーツァルト:交響曲第41番「ジュピター」

予習・復習に動画対訳、テキスト対訳をお役立てください。

ヴォツェック
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