METライブビューイング「特設ページ」更新

オペラニューヨーク・メトロポリタン歌劇場は本日9月26日(日本時間では明朝)にラトル指揮のワーグナー《トリスタンとイゾルデ》で2016-2017シーズンを開幕します。METライブビューイングの特設ページを更新しました。特設ページには今シーズンの上映日程、予定される配役を掲載しています。

こちら → METライブビューイング

今シーズンも昨シーズンと同じ10回の上映が予定されています。サーリアホグノー(仕掛中)を除く8作品の対訳が完成しています。
当然字幕は出ますので予習は必要ないかもしれませんが、予習のお供に対訳をお役立てください。


METライブビューイングは昨シーズンで日本での上映が始まって10年になったんだそうです。しかし『歌劇場の観客の平均年齢は現在、60歳弱に下がった』って、こんだけがんばってもそこかよ!なかなか難しいですね。

GMのピーター・ゲルブは悪名高きコロンビア・アーティスツの元幹部で悪いこといっぱいしてきた人っぽいんだけれども、「メトの進むべき道はオペラの大衆化」という方向性がハッキリしているのはたいへん好感が持てます。もちろんすべてのオペラハウスがその道を目指す必要はないんだけど、何を考えてるのかわからんというのではダメです。(以下略)


ヤニック・ネゼ=セガンが次期音楽監督に決定したそうです。これは予定通り。ファビオ・ルイージ?ああいう辛気臭い人は(音楽的にも人物的にも)ニューヨークではウケないんじゃないでしょうか。

しかし一方で残念だったのは、ネゼ=セガンがフィラデルフィア管弦楽団の契約を延長したというニュース。ハッキリ言ってこのポストはネゼ=セガンには役不足です。私はフィラ管にはさっさと見切りをつけて、もっと上等なポストについてほしいと願ってました。

「フィラデルフィア・サウンドの看板が泣いとるばい。お取り換えンなったらどぎゃんな!」……矢野竜子風に言ってみた。5月の来日公演を聴いてきました。弦楽セクションは素晴らしい(ブルックナー第2楽章のヴィオラ隊!)。しかし管楽セクションはお話にならない。ワールドクラスの音を放っていたのはクラリネットだけではなかったか……。

前々回の来日公演がテレビで放送されたときも、モーツァルトはイイ!けどマーラーになると物足りないというのはその辺りに原因があると思っていました。

誰の目にも明らかなのは(オーボエに代表されるとおり)年寄りが多い。これは私の推測ですが、例の財政破綻をきっかけに若くて優秀なソリストを雇えなくなったせいではないかと。将来有望な管楽器奏者は引く手あまただから、より高い給与のポストがあればすぐそっちへ流れてしまう。一方で弦楽トゥッティなんかは掃いて捨てるほどいるので、沈みかけた船から海に飛び込んでも、拾ってくれる船が豪華客船とは限らない。おかげで弦だけは質が保たれていると。

財政が好転すれば優秀なソリストを雇えるのかもしれない。しかしお金が入ったからと言って「アンタはクビ!」とは行かなそうなのが組合の強いアメリカで、いったん質の下がったオケのレベルを上げるというのはいくら音楽監督が優秀でもそう簡単には行かないのでは?

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