チャイコフスキー 《エフゲニー・オネーギン》 全曲 YouTube動画公開

オペラピョートル・イリイチ・チャイコフスキー 《エフゲニー・オネーギン》 全幕のロシア語日本語対訳字幕付きYouTube動画を公開します。全幕を1本の動画にまとめています。翻訳は梅丘歌曲会館の藤井宏行さまです。

動画はこちら → エフゲニー・オネーギン
対訳はこちら → エフゲニー・オネーギン

5月にパイロット的に「手紙の場」のみ公開してから5カ月、なんとか全幕公開にこぎつけました。タチヤナはもちろんガリーナ・ヴィシネフスカヤ。公開から半世紀以上経過していますが、いまだにこのタチヤナを超える録音はないと断言する方もいらっしゃるようです。




5月に書いたとおり、原語字幕はキリル文字表示です。ラテン翻字で作業していたら間違いなく途中で挫折してました。とはいえ私はキリル文字読めませんので、歌唱が IMSLPの楽譜と違ったりするともうお手上げです。

たぶんここは楽譜と違うと気づいた箇所を歌唱に合わせたつもりでそれっぽく直したところもあるし、あきらめて放置したところもあります。第2幕のヴェルディ風(?)のアンサンブルでは、楽譜通り字幕を配置できず割愛したパートもあるし、逆に楽譜では歌ってるはずのソリストのパートが全然聴こえないけど、楽譜通りソリストの歌詞を配置した箇所もあります。

要するに、歌とキリル文字字幕が全然合ってないんじゃないかという不安はあるのですが、そこらへんは大目に見てやってください。

チャイコフスキー:歌劇『エフゲニ・オネーギン』全曲

 エフゲニー・ベロフ(バリトン:オネーギン)
 ガリーナ・ヴィシネフスカヤ(ソプラノ:タチヤナ)
 セルゲイ・レメシェフ(テノール:レンスキー)
 ラリーサ・アフデーエワ(メゾ・ソプラノ:オリガ)
 イワン・ペトロフ(バス:グレーミン)、他
 ボリショイ劇場管弦楽団&合唱団
 ボリス・ハイキン(指揮)

 録音時期:1955年
 録音方式:モノラル

第2幕、フランス人トリケー氏のクプレですが、ウィキに掲載した原語リブレットはすべてフランス語、一方ハイキン盤はロシア語とフランス語のちゃんぽんになっています。藤井さまに改めて翻訳をお願いしたところ快く引き受けていただき、そちらを字幕にしました。ありがとうございました。またその対訳はキリル文字版対訳のほうにだけ補遺として掲載しました。

来月、演奏会形式の公演があるようです。もろもろ予習・復習にお役立てください。

チャイコフスキー/歌劇「エフゲーニ・オネーギン」全3幕
演奏会形式(ロシア語上演・日本語字幕付)

2017年11月9日(木) 18:00開演 NHKホール

タチヤーナ:ヴェロニカ・ディジョーエヴァ
エフゲーニ・オネーギン:ワシーリー・ラデュク
レンスキー:アレクセイ・タタリンツェフ
オリガ:アグンダ・クラエワ
ラーリナ:エレーナ・エフセーエワ
グレーミン公爵:ニコライ・ディデンコ
フィリッピエーヴナ:エレーナ・マニスティーナ
トリケ:清水徹太郎
ザレーツキー/中隊長:五島真澄

合唱:新国立劇場合唱団
チャイコフスキー交響楽団(旧モスクワ放送交響楽団)
指揮:ウラディーミル・フェドセーエフ

現代の理想的なタチヤナ歌いは誰なんでしょうね。ネトレプコ?彼女はホロストフスキーに「ホントの君はぜんぜんタチヤナじゃナーイ!」とからかわれるそうで、私はネトレプコのタチヤナをYouTubeで断片的にしか見たことがないのでなんとも言えませんが、ネトレプコのドキュメンタリーやインタビューを見ると、たしかにタチヤナというよりは、婚約者を決闘で失ってもホイホイ次の男に乗り換えるオリガっぽい性格のように見えますね。(いい意味で言ってます!)

別に生身の人柄と舞台で演じる役柄が一致している必要はないのだけど、ドキュメンタリー「孤高の白鳥」を見たら、タチヤナを完璧に演れる人はこの人を置いて他にないんじゃないかと思いました。ウリヤーナ・ロパートキナ。バレエ・ダンサーだけど……。

ドキュメンタリーはロパートキナや同業者、振付家などへのインタビューと舞台映像で構成されています。他のダンサーのインタビューはまあ見ていてわかる。話し方や表情や仕草から同じ21世紀を生きてる人だなと。ロパートキナは全然わからない。絵の中から抜け出てきたような、あるいは19世紀から転生してきた人みたいに見えます。

ロパートキナは言う…「オネーギン」(クランコの?)を演ってみたいと。「今ならタチヤナを踊れるかもしれない」と。

もちろん出来ますって!だってあなたインタビューの間中ずっと第3幕のタチヤナでしたもの!オネーギンが驚いて言う「なんと気取りなく何と堂々として何と落ち着いているんだ! …まるで女王のようだ!」そのまんまですって……。

残念ながら昨シーズンを最後にロパートキナは引退してしまいましたね。ずっと前に別のドキュメンタリー(マリインスキー・バレエの何かだったか)で、怪我をしてるとかでストレッチしてるだけなのに強烈なオーラを放っていたのを見てばっちり名前を覚えて以来、一度は生で見てみたいとは思いつつ来日公演に気づいたときにはいつも全席売り切れで結局見られずじまいでした。まあ「白鳥」のブルーレイは買ったし「ダイヤモンド」は公式チャンネルが全編タダで見せてくれるからいいけど。それからBSで「アンナ・カレーニナ」の再放送があるそうですよ。また見よう。

それで結局、ロパートキナはタチヤナを踊ったんでしょうか。私はバレエ詳しくないんで知らないんですけど……。

エフゲニー・オネーギン
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