ビゼー《カルメン》全曲 カラヤン指揮 YouTube動画公開

オペラジョルジュ・ビゼー 《カルメン》 全4幕のフランス語日本語対訳字幕付きYouTube動画を公開します。翻訳は梅丘歌曲会館の藤井宏行さまです。

対訳はこちら → カルメン
動画はこちら → カルメン

カラヤンの《カルメン》はもちろんプライスが歌った旧盤のほう。新盤はアルコア版(台詞版)だしバルツァが歌ってるということで、たいへん評判が良いわけですが、だんぜん旧盤が良いです。まあわかってる人はわかってる。旧盤はギロー版(レチ版)で、やたら「作曲者の意図」とやらを尊重したがる現代においては分が悪いけど、ギロー版まったく問題ない。アルコア版かギロー版かなんてどうでもいい。そんなことで《カルメン》はびくともしない。



当時提携していた米国RCAのためにデッカが録音してます。カルショウのチームはいつもながら素晴らしい仕事をしたね。届いたテープを聴いたRCAの連中は驚嘆したと思う。この音源は2017年末の時点で公開から50年以上が経過し、2017年まで著作隣接権保護期間を50年と定めていた日本では、パブリックドメインとなっています。

ジョルジュ・ビゼー「カルメン」(全曲)

カルメン:レオンタイン・プライス(ソプラノ)
ドン・ホセ:フランコ・コレルリ(テノール)
エスカミーリョ:ロバート・メリル(バリトン)
ミカエラ:ミレルラ・フレーニ(ソプラノ)
スニガ:フランク・シューテン(バス)
メルセデス:ジュヌヴィエーヴ・マコー(メッゾ・ソプラノ)
フラスキータ:モニク・ランヴァル(ソプラノ)
レメンダード:モーリス・ブザンソン(テノール)
ダンカイロ:ジャン=クリストフ・ブノワ(バリトン)
モラレス:ベルナール・デミーニー(バリトン)

ウィーン国立歌劇場合唱団[合唱指揮:ヴィルヘルム・ピッツ]
ウィーン少年合唱団[合唱指揮:ヘルムート・フロシャウアー]

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
指揮:ヘルベルト・フォン・カラヤン

プロデューサー:ジョン・カルショウ
レコーディング・エンジニア:ジェームズ・ロック、ゴードン・パリー

[使用楽譜]エルネスト・ギロー校訂版
[録音]1963年11月18日~27日、ウィーン、ゾフィエンザール
[初発売]LDS/LD-6164(1964年)

今月から共同制作の《カルメン》が各地を回るようです。特に記載はないけど、日本人ばかりで歌う《カルメン》はたぶんギロー版(レチ版)。全曲動画はほかに、カラス盤ロス・アンヘレス盤あります。もちろんこれらもギロー版。予習・復習にお役立てください。

ビゼー作曲 オペラ『カルメン』全4幕

神奈川県民ホール 10月19日(土)/10月20日(日)
愛知県芸術劇場 11月2日(土)/11月3日(日)
札幌文化芸術劇場 1月25日(土)/1月26日(日)

カルメン:加藤のぞみ/アグンダ・クラエワ
ドン・ホセ:福井敬/城宏憲
エスカミーリョ:今井俊輔/与那城敬
ミカエラ:髙橋絵理/嘉目真木子
フラスキータ:清野友香莉/青木エマ
メルセデス:小泉詠子/富岡明子
モラレス:近藤圭/桝貴志
スニガ:斉木健詞/大塚博章
ダンカイロ:大沼徹/加藤宏隆
レメンダード:大川信之/村上公太

合唱:二期会合唱団(全公演)
合唱:愛知県芸術劇場合唱団(愛知公演)
合唱:札幌文化芸術劇場カルメン合唱団(札幌公演 第4幕のみ)
児童合唱:赤い靴ジュニアコーラス(神奈川公演)
児童合唱:名古屋少年少女合唱団(愛知公演)
児童合唱:HBC少年少女合唱団(札幌公演)

管弦楽:神奈川フィルハーモニー管弦楽団(神奈川公演)
管弦楽:名古屋フィルハーモニー交響楽団(愛知公演)
管弦楽:札幌交響楽団(札幌公演)

指揮:ジャン・レイサム=ケーニック(神奈川・愛知公演)
指揮:エリアス・グランディ(札幌公演)
合唱指揮:大島義彰

演出:田尾下哲
装置・衣裳:マドリン・ボイド
照明:喜多村貴
振付:キミホ・ハルバート

音楽面で「作曲者の意図」がやたら尊重される一方で、初演当時の「意図」をガン無視する演出が称賛されるというのは不思議です。

今回の《カルメン》の演出はかなり読み替えているらしい。日本の多くのみなさんと同様、私も「読み替え演出」は好きじゃない。理由はロクなのに当たったことがないから。ハズレが多すぎます。演出家の思いつきをいちいちオペラにするのは勘弁してほしい。

それに演出家がほんとに本気なら、台詞や歌詞は演出にあわせて変えるべきでしょう。そこまで踏み込まず、視覚的な読み替えにとどめるというのは、中途半端で無責任で卑怯なふるまいに思えます。

《カルメン》はどの国、どの時代にもありそうなプロットなので、読み替えはやりやすそう。でも実は鬼門だと思います。演出をどんだけいじってもびくともしない圧倒的な音楽に、読み替え演出家にはむなしさだけが残ることでしょう。

カルメン
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