ヘンデル《ジュリオ・チェーザレ》全曲 YouTube動画公開
今日は3月15日、ジュリアス・シーザーの命日、つまり暗殺された日です。毎年恒例の《ジュリオ・チェーザレ》、今年はいよいよ【音アリ】全曲盤の登場です。翻訳とあらすじは Reikoさまです。対訳はこちら → ジュリオ・チェーザレ
動画はこちら → ジュリオ・チェーザレ
去年はリヒター指揮の音源を【音ナシ】で公開しました。なんと公開したその日に、ルーデル盤の音源をネット上で捕獲することができ、1年後このとおり公開の運びとなりました。
1966年、ニューヨーク・シティ・オペラが蘇演した《ジュリオ・チェーザレ》の成功でシルズはスターの仲間入りを果たしたそうです。おそらくこの音源はそのキャストをスタジオに連れて行って録音したものと思われます。2017年末の時点で公開から50年以上が経過し、2017年まで著作隣接権保護期間を50年と定めていた日本では、パブリックドメインとなっています。
ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル
歌劇『ジュリアス・シーザー』HWV.17(全曲)
ビヴァリー・シルズ(クレオパトラ)
ノーマン・トレイグル(シーザー)
モーリーン・フォレスター(コルネリア)
ドミニク・コッサ 他
ジュリアス・ルーデル(指揮)
ニューヨーク市立歌劇場管弦楽団&合唱団
録音:1967年 ニューヨーク
しかし、私はシルズよりフォレスターに感動しました。フォレスターは《セルセ》《ロデリンダ》でも歌っていたし、《大地の歌》だって作ったのに、このひとの凄さに今になってようやく気づきました。
でもこの音源を誰にでもオススメできるかというとそうでもない。完全全曲盤(たぶん)のリヒター盤の演奏時間は4時間。今回の音源は2時間半。実に1時間半も短い。
ニューヨーク・シティ・オペラの公演がそうだったのか、LP3枚に収めるためにやむなくそうしたのか、ヘンデル自身が再演の際にそういう版を作ったことがあったのか(ないと思うが)、とにかくバッサバッサ切ります。
脇役のアリアはもちろんのこと、主役のもへーきでカット。ダ・カーポ・アリアはBメロをカットしたり、ダ・カーポしても微妙に短くしたり。レチタティーヴォにはほとんど涙ぐましい刈り込みの跡が見られます。
一番驚いたのが、有名なクレオパトラのアリア「Piangerò la sorte mia」が第1幕に登場すること。本来は第3幕に弟王との権力争いに破れ絶望して歌うアリアですが、この盤ではリディア(クレオパトラの変装)が、弟王から疎まれた一族の不幸を嘆く歌になってます。第3幕大詰めのクレオパトラとチェーザレの二重唱も、第2幕でリディアとチェーザレ愛の交歓の歌になってたり……。
また第1幕に台本にはない合唱が出てきて困りました。どうやら《忠実な羊飼い》の狩人の合唱の使いまわしであるらしい。これもヘンデルがそうしたことがあったのか、ルーデルの発案なのかは謎です。
Oh! quanto bella gloria
è quella del cacciator.
「cacciator」を「vincitor」に変えて歌ってる。私がてきとーに訳して埋めておきました。
というわけで「オーセンティシティって大事だよね」と考える人には向かない音源かもしれません。
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