ヤナーチェク《消えた男の日記》全曲 YouTube動画公開

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ベノ・ブラフトのヤン(テノール)、ステパンカ・ステパノヴァーのジプシー女ゼフカ(アルト)です。ブラフトは《グラゴル・ミサ》で歌ってた人。この音源は2017年末の時点で公開から50年以上が経過し、2017年まで著作隣接権保護期間を50年と定めていた日本では、パブリックドメインとなっています。
中程にあるピアノ間奏は、若い男女の間で起こった一夜の出来事を語っているのでしょう。左手がヤン、右手がゼフカでしょうか。《グラゴル・ミサ》のオーケストラ間奏と同じ手法のようです。
「やっちまったな、ヤン!」初見で制作開始して作り終えたとき、都会育ちの私はそう思いました。しかし作曲者は、森で自由に生きる狐の話をオペラにしちゃう人だし、例の「老いらくの恋」はすでに始まっていたので、すべてのしがらみを捨ててジプシー女と森に消えるヤンを、心底うらやましいと思ったことでしょう。ヤナーチェクは人妻に「作曲しているあいだ、あなたのことしか考えませんでした。あなたはゼフカであったのです!」と書き送っていたそうです。
翻訳は梅丘歌曲会館の藤井宏行さまです。なにかリクエストありますかとお尋ねしたとき、返ってきたのがこの連作歌曲でした。ヘフリガー盤がPDであるけどドイツ語歌唱だからムリと返したら、教えてもらったのがこのブラフト盤です。そんなやり取りがあってから1年半も経ってしまいましたが。
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この記事へのコメント
中間部の初めての触れあいの時にだけ、ジプシー娘ゼフカと女性コーラスの登場する意味合いであるとか(女性コーラスの字幕が背景で奥へ流れて行く処理が秀逸)、意外と最終曲の決然とした表情に引っ張られて気付かなかったのですが、その前の数曲の心の揺らぎの描写こそがこの歌曲集の真骨頂ではないかと、この語りのような音楽のスタイルを言葉の方に集中して聴くことで気付けたことはとても大きな収穫でした。
あまり自分の訳したものの動画は、見ると直したくなるところがいっぱい出て来るので見ないようにしているのですが、たまにはこうやって見るのも良いかな と思いました。知らない間に動画の方もオペラでないものがものすごい数増えているようですし、この歌曲集を皮切りに動画対訳にしたものは徐々にでいいのでこちらにお引越しさせても良いかな と思います。私のところもいつまで残っているか分かりませんし、そろそろご相談の時期かな という気はしています。
コメントありがとうございます。リクエストを尋ねておいて1年半も放置してしまい申し訳ありません。引越ですって?私だってココの後継者をそろそろ考えなきゃいけないってのに???