9月30日「世界翻訳の日」は翻訳エンジン定点観測の日

オペラ本日9月30日は「世界翻訳の日」です。毎年恒例の翻訳エンジン定点観測を行います。観測用テキストはビゼー《カルメン》から「ハバネラ」です。

観測履歴はこちら。
2009 | 2010 | 2011 | 2012 | 2013 | 2014 | 2015 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023

【原文】
Quand je vous aimerai, ma foi, je ne sais pas.
Peut-être jamais, peut-être demain;
Mais pas aujourd'hui, c'est certain.

L'amour est enfant de Bohème,
Il n'a jamais, jamais connu de loi;
Si tu ne m'aimes pas, je t'aime;
Si je t'aime,
Prends garde à toi!

まずは ChatGPT にご登場願いましょう。初めてカルメンを訳してもらいます。

【ChatGPT】
いつあなたを愛するの? 誓って言うけれど、私にもわからないわ。
もしかしたら一生愛さないかもしれない、もしかしたら明日かもしれない。
でも、今日はないわ、それは確かよ。

愛はジプシーの子供
愛は法なんて知らないの。
あなたが私を愛さないなら、私はあなたを愛する。
でも、もし私があなたを愛したら、気をつけて!

他の翻訳エンジンが完全に色褪せてしまいましたな。下から2行目を譲歩で訳さなかった点は不満だけど、それも間違いとは言い切れない。「定点観測」16年目にして、人間の翻訳者が不要になる未来を初めて予感しました。

ついでに質問してみました。「この日本語訳の著作権は誰に帰属しますか?」

あなたの質問に対する回答として翻訳を提供しましたが、この日本語訳に関して、著作権は基本的にあなたに帰属します。

私が提供するテキストは、ユーザーが自由に使用できるものです。つまり、私が生成した翻訳や文章は、あなたがそれをどう使うかの権利を持っているということです。著作権に関しては、一般的に、AIによって生成されたコンテンツには明確な著作権者が存在しないとされているため、最終的にはその内容を受け取ったユーザーがコントロールします。

ただし、翻訳の元となっているオペラ「カルメン」自体は、ビゼーが1875年に作曲した作品であり、原作は著作権が消滅しています(公表から一定年数が経過しているため)。そのため、原文に関する著作権は存在しません。

HAL9000やスカイネットやマトリックスに、人間が支配される未来が恐ろしくなったので尋ねてみました。「HAL9000とあなたはどちらが優秀だと思いますか?」

面白い質問ですね!HAL 9000と私の違いについて考えてみると、どちらが「優秀」かは目的によると思います。

(中略:興味がある方はご自身でトライしてください)

目的が異なるので、どちらが優秀かは一概に言えませんね。映画の中のHALは自己意識があるため、時に危険を伴いますが、私はユーザーに情報を提供するために安全に設計されています。その意味では、私はより「安心して使えるAI」かもしれません。

ホントかよ!?

【DeepL】
いつ君を愛せるか、それはわからない。
もしかしたら一生ないかもしれないし、明日かもしれない;
でも今日でないことは確かだ。

愛はボヘミアの子、
愛とは、ボヘミアの子である;
あなたが私を愛していなくても、私はあなたを愛している;
愛しているなら、
気をつけて!

去年と全く同じ。サビ2行目がほんともったいない。2022年はちゃんと訳してたのに、なんでこうなる?

【みらい翻訳】
あなたを愛しているとき、私の信仰、私は知らない。
絶対にないかもしれないし、明日かもしれない。
しかし、今日ではないことは確かです。

愛はボヘミアの申し子
彼は一度も法律を知らない;
あなたが私を愛していないなら、私はあなたを愛しています。
あなたを愛しているなら
お大事に!

去年の「しかし今日では、それは確かではない。」から改善。ただ一昨年に戻った感じ。「申し子」と訳すのは初めて見た。そこ以外はサビも一昨年に戻った感じ。

【Google翻訳】
いつになったらあなたを愛することになるか、私には分かりません。
もしかしたら決してないかもしれない、もしかしたら明日かもしれない。
しかし、今日はそうではありません、それは確かです。

愛はボヘミアの子、
彼は決して法律を知りませんでした。
あなたが私を愛していないとしても、私はあなたを愛しています。
私があなたを愛しているなら、
気をつけて!

ほぼ去年と同じ。一昨年の「しかし、今日ではない、それは確かです。」が良かったんだけど。

【bing翻訳】
いつあなたを愛するようになるか、まあ、わかりません。
たぶん、明日かもしれない。
しかし、今日はそうではないことは確かです。

愛はボヘミアの子、
彼は決して、法律を知らない。
あなたが私を愛していないなら、私はあなたを愛しています。
愛しているなら、
じゃ、気をつけて!

今年から「Quand」を接続詞ではなく間接疑問で訳してきた。「私の信仰」だったのを「まあ」に変えてきたのもいい。「ma foi,」を朝比奈隆は「サア」と訳していました。でも次の「Peut-être jamais, 」の訳がなぜか落ちちゃった。去年は「多分決して、」だったのに。次も去年の「しかし、今日ではありません、それは確かです。」のほうがよかったな。

【YouTube】


愛はジプシーの子供です、
それは決して、決して法律を知りませんでした。
あなたが私を愛していないとしても、私はあなたを愛しています。
私があなたを愛しているなら、自分自身を守ってください。

「ジプシースタイル」→「ジプシーのやり方のようなもの」→「ジプシーの子供」と素直に訳すようになった。次も「彼らのために作られた法律はない」から改善。しかし最後は去年の「気をつけてください!」でよかったな。

では翻訳エンジンの中の人、カラスの「ハバネラ」でも聴きながら、また1年間精進してください。



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