クライバーを偲んで… ワーグナー《トリスタンとイゾルデ》全曲 YouTube動画公開

オペラ本日7月13日はカルロス・クライバーの命日です。あれからちょうど19年が経ちました。

カルロスの音源を使った企画は4年目に突入。もちろん今年も【音無版】です。リヒャルト・ワーグナー《トリスタンとイゾルデ》全曲を用意しました。翻訳はwagnerianchanさまです。



私見では、カルロスは芸術家の我儘や気まぐれとして許容できる範囲を超えて、大人としてあるべき常識を身につけなかった子供でした。唯一無二の天才だったから、それでも許されたけど、そうでなかったら社会人として生きていくことはできなかったでしょう。

そういう人だから、伝記によるとこの録音も、スカラ座の《ボエーム》同様、お蔵入り寸前だったらしいです。録音終盤ルネ・コロが不調になり、念のため録っておいたカラオケ音源でコロが歌ったアフレコを使うか否かで揉めたようです。

カルロスはオケと10回、歌手を入れて20回のセッションを使って、曲順通りに録音するよう要求したと。結局こんな回数は必要なかったのだけれど、カルロスがそう要求すればDGは飲むしかない。その時間分オケやスタッフを確保します。余った時間を使って「ワーグナー序曲集」を録ろうなんてありがちなハナシを、カルロスに言い出せるわけがない。

こうして莫大な予算を投じたDGとカルロスが、最後どうやって妥協したのか、関係者は何も語らなかったようです。カルロスは二度とDGと仕事をしませんでした(DGレーベルで出てるビデオはユニテルとの仕事です)。

DGに同情します。私の想像では裁判沙汰の一歩手前までいったんじゃないかと。とにかくこうして世に出ることになって本当によかった。

ワーグナー:『トリスタンとイゾルデ』

 マーガレット・プライス(ソプラノ:イゾルデ)
 ブリギッテ・ファスベンダー(メゾ・ソプラノ:ブランゲーネ)
 ルネ・コロ(テノール:トリスタン)
 ヴェルナー・ゲッツ(テノール:メロート)
 ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン:クルヴェナール)
 クルト・モル(バス:マルケ王)

 ライプツィヒ放送合唱団
 シュターツカペレ・ドレスデン

 指揮:カルロス・クライバー

 録音:1980年~1982年 ドレスデン(デジタル)

19時からプレミア公開です。音が出ないからプレミア公開する意味は全くないのですが、4時間のあいだ、プレミア公開中ということで YouTube の目立った場所に掲出されることを狙っています。

著作隣接権継続中のため、音源はご自身で用意していただくしかありません。このとおり、 Spotify(スポティファイ)で無料で聴けますが、無料会員だと15分毎に広告が入るのであまり実用的ではありません。中古でいいので一幕一枚の三枚組CDを買うことを勧めます。動画冒頭のカウントダウンに合わせてポーズ状態からスタートすれば、音声と字幕が合うはずです。



さて、遺っているはずなのに一向に正規音源として発売される様子がない《トリスタン》のバイロイト放送音源ですが、もし著作権法改悪がなければ、初年度の音源が、2024年末に著作隣接権保護期間50年を終え、翌2025年にパブリックドメインとなり、遺族が何を嘆こうが、少なくとも日本での発売は可能となるはずでした。(ちなみにDGの倉庫に眠っているであろう《ボエーム》の断片は2030年にPDになるはずだった)

TPPのせいと思ってませんか。違いますよ。アメリカが参加するまで著作権関連項目は凍結なんだから。それなのに必要のない保護期間延長を通してしまったバカがいます。そいつは役所でさぞかし出世したことでしょうよ。

トリスタンとイゾルデ
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